アニメ業界のビジネススタイルと自主制作アニメの可能性


http://d.hatena.ne.jp/pmoky/20071028/p1


こちらでアニメ制作費予算の流れについて紹介があった。
アニメの制作費が一話30分で1000万くらいらしい、てことは1クールで1億2000万。制作費が莫大、という時点でテレビ局と代理店を介す今のビジネススタイルから抜け出すことなんてできないんじゃないだろうか。

ところでwebで動画配信ビジネスといえばGyaOが有名だ。コマーシャル収入により視聴者は無料視聴が可能だが……。

2008年8月期には黒字化を目指すとしているが2007年8月期決算では、コンテンツ調達費の負担が大きく、さらにCM収入が伸びず、GyaO事業は(前期からは赤字幅は半減したが)約30億円の赤字となっている。アナリスト向けの説明会でのUSENの発表によると、登録会員のうち週に一回以上閲覧するユーザーは300万人程度とみられ、CMを出稿する企業は効果を測りかねている、という。既存のテレビ各局は、GyaOを脅威に感じネット配信事業に乗り出す一方で、ネット配信事業の収益性には依然として懐疑的な見方もある。

GYAO! - Wikipedia

そもそもコンテンツが全く充実していない。youtubeやニコニコなどで著作権が散々無視されてupされている時点でGyaOの存在価値は無いに等しい。でも、これから著作権を無視した動画upはどんどん規制されていくだろう。だからといってあえてテレビじゃなくてwebを選ぶスポンサーなんてまずいない。なぜならビジネスとして全く結果がでていないから。

仮に中間搾取のビジネススタイルから抜け出せるとしたら「制作費の削減」しか思い浮かばない。そういう意味では、クリエイター個人で一つの作品を作り出してしまう、「個人制作アニメ」しか可能性は無いと思う。有名なのが新海誠で、彼の凄いところは個人制作アニメを一つのビジネスとして成功させたところだ。
たった一台のmacで作った作品がDVDで十万枚以上の売り上げ。これってとんでもなく凄いことだ。制作費なんてmac一台の値段くらいってことでしょ。人件費もかかっていない。ただ、制作費に何億もかけ、その道のプロ達が作りあげる、世界的にも有名なジゃパニメーションの域には達していないのが現状だ。

ただ、これからのPCの進化により可能性が広がると思う。もし、スポンサーを介さないプロダクションが続々と生まれ、独自のビジネススタイルを確立できたら……。日本のアニメーション業界に一筋の光明が見える、かもしれない。